「ねぇねぇ、この坂、すっごくインスタ映えするよ！」
春の柔らかな日差しが差し込む神戸の街で、大学3年生の美咲の声が弾んだ。週末を使って、関西の大学に通う仲良し4人組が神戸観光に繰り出したのだ。美咲、翔太、由香、健一の4人は、SNSで見つけた北野坂周辺の観光スポットを巡るために、朝早くから三宮駅に集合していた。
「そういえば、この北野坂って、なんで異人館がたくさんあるの？」と由香が尋ねると、歴史好きの翔太が得意げに説明を始めた。「明治時代に神戸港が開港して、たくさんの外国人が住むようになったんだ。当時のお金持ちの外国人が、母国の建築様式を取り入れた洋館を建てたのが始まりなんだよ」
坂道を上りながら、4人は次々と現れる異国情緒たっぷりの建物に目を奪われていく。レンガ造りの壁や装飾的な窓枠、色とりどりのステンドグラスなど、まるでヨーロッパの街角に迷い込んだかのような錯覚を覚える。
「あ！weathercock（ウェザーコック）の館だ！」健一が指さす先には、神戸を代表する異人館の一つが姿を現した。風見鶏の館の愛称で親しまれるその建物は、まさに異人館のシンボル的存在だ。
「写真撮影可能なスポットがたくさんあるみたい。中に入ってみよう！」美咲が提案し、4人は入館料を支払って中へ。明治時代のアンティーク家具や調度品が、当時の暮らしぶりを今に伝えている。2階のベランダからは、神戸の街並みと港が一望できた。
「ここからの眺め最高！」由香が感動の声を上げる。春風に吹かれながら、4人は思い思いに写真を撮り合う。SNSにアップする写真も、ばっちり決まった。
お昼時が近づいてきた頃、北野異人館街の中でも人気の「萌黄の館」に立ち寄る。ドイツ人貿易商が建てた洋館で、緑がかった外壁が特徴的だ。館内のカフェでは、神戸らしいハイカラなスイーツも楽しめる。
「私、この雰囲気好きだな〜。まるで海外にいるみたい」と美咲がため息をつく。アンティークな家具に囲まれた空間で、4人はそれぞれが注文したケーキとコーヒーを味わった。
休憩後、さらに坂道を上っていくと、異人館の建ち並ぶ通りに出た。ここでは、おしゃれな雑貨店やカフェも点在している。由香がショーウィンドウに飾られた可愛らしい小物に目を輝かせる。
「これ、お部屋に飾りたい！」思わず雑貨店に入り、みんなでショッピングを楽しんだ。レトロでかわいい文具や、神戸らしいマリン雑貨など、お土産探しも楽しい時間となった。
北野異人館街を満喫した後は、少し足を延ばして、近くの北野工房のまちへ。ここでは、神戸の職人による手作り雑貨や、地元アーティストの作品を見ることができる。
「神戸って、伝統的なものと新しいものが上手く混ざり合ってるよね」と翔太が感心する。確かに、歴史ある異人館と現代的なショップが共存する街並みは、神戸ならではの魅力だ。
夕暮れが近づき、北野坂を下りながら、4人は今日の思い出を振り返る。「次は神戸牛食べに来たいね！」「布引の滝とか、有馬温泉にも行ってみたい！」と、早くも次回の神戸観光を計画し始めた。
三宮駅に戻る頃には、街灯が灯り始め、異なる表情を見せる神戸の街。「今日は本当に楽しかった！」と由香が笑顔で言う。スマートフォンの中には、たくさんの写真と共に、かけがえのない思い出が詰まっていた。
北野坂・異人館エリアは、若者の観光スポットとしても人気を集めている。歴史的建造物だけでなく、おしゃれなカフェや雑貨店が点在し、写真映えするスポットも満載だ。また、坂の上からは神戸の街並みを一望でき、港町神戸の魅力を存分に感じられる場所となっている。
週末や祝日には多くの観光客で賑わうため、朝早めの時間帯での観光がおすすめ。また、各異人館には入館料が必要だが、共通チケットを利用すれば、よりお得に複数の館を巡ることができる。
神戸の観光スポットとして定番の北野異人館街だが、訪れるたびに新しい発見がある。季節によって異なる表情を見せる街並みは、何度訪れても飽きることがない。若者たちの間でも、写真撮影やカフェ巡りのスポットとして注目を集めており、SNSでの投稿も増えている。
4人の大学生たちの楽しい思い出が詰まった神戸観光。異国情緒あふれる街並みは、これからも多くの人々を魅了し続けることだろう。
コメント