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神戸の山で、オルゴールが鳴り終わるまで

六甲山の中腹にオルゴール館があるって聞いて、正直そんなに期待してなかった。ケーブルカーを降りてバスに揺られて、冬の空気が頬に刺さるような午後だった。入口のドアを開けた瞬間、暖房の温かさと一緒に木の匂いがふわっと広がって、ああここは外の世界と...
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神戸の水族館で見た、子供たちが本気で笑う瞬間

あの日、須磨の水族館で子供たちの笑い声が響き渡っていた。私が神戸須磨水族館に足を運んだのは、たしか3月の終わりごろ。春休みに入ったばかりで、館内は家族連れでごった返していた。入り口をくぐった瞬間、ひんやりとした空気と独特の磯の匂いが混ざり合...
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神戸の須磨海岸で過ごす夏と、人が消えた砂浜の話

須磨海岸って、夏だけ別の場所になる。7月の終わりごろ、友達に誘われて久しぶりに行ったんだけど、駅を降りた瞬間から空気が違うんだよね。潮の匂いと日焼け止めと焼きそばの匂いが混ざって、ああ夏だなって思う。改札を出てすぐ、ビーチサンダルの音がぺた...
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神戸・元町の高架下で、二人で歩くとちょうどいい理由

元町の高架下って、なんであんなに落ち着くんだろう。友達と二人で歩いてたのは確か秋口で、夕方の4時過ぎくらいだったと思う。高架下商店街の独特な薄暗さが、ちょうど陽の傾きと混ざって、オレンジと灰色が入り混じったような空気になってた。電車が通るた...
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神戸港を歩きながら、ふたりで何も決めない午後

神戸港の防波堤に腰かけて、靴紐を結び直していた。海風が思ったより強くて、さっきから髪が顔にまとわりついてうっとうしい。彼女は私の隣で缶コーヒーを両手で包んで、波の音をぼんやり聞いている。デートっていうほど気合を入れた感じでもなくて、なんとな...
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神戸の夜、通り過ぎる声だけが残る

三宮の駅前で立ち止まって、靴紐を結び直していた。金曜の夜8時過ぎ、ちょうど仕事帰りの人波と飲みに繰り出す人たちが交差する時間帯で、改札から吐き出される人の流れが途切れない。私は片膝をついて靴紐と格闘しながら、耳に飛び込んでくる会話の断片を無...
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神戸の北野坂で異人館巡りしたら、坂道で心が折れかけた話

北野坂って、写真で見るとめちゃくちゃオシャレじゃん?友達4人で神戸に行くことになって、誰かが「異人館行こうよ!」って言い出したのが始まりだった。私はてっきり平坦な場所にレトロな建物がポツポツあるイメージだったんだけど、実際は違った。めちゃく...
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神戸の山で、二人きりで聴く金属の記憶

六甲山の中腹に、オルゴール館がある。正直に言うと、私はオルゴールというものをなめていた。宝石箱を開けたら鳴るやつ、くらいの認識しかなくて、わざわざ山を登ってまで聴くものかと思っていたんだけど。連れが「行きたい」って言うから、まあいいかと車を...
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神戸の水族館で子供が走り回る音を聞いていると、なんだか自分も許されている気がしてくる

須磨の水族館に行くと、必ず誰かの子供が奇声を上げている。あれは確か去年の秋だったと思うんだけど、平日の昼過ぎに神戸須磨水族館を訪れたことがあって。その日は妙に空いていて、大水槽の前にしゃがみ込んで、ぼんやりイワシの群れを眺めていたら、突然後...
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神戸の須磨海岸で過ごす夏と、誰もいない砂浜の話

須磨海岸って、夏以外はほんとに人がいない。神戸の海岸線って、観光地としてはそこそこ有名なんだけど、実際に住んでる人間からすると「わざわざ行く場所」じゃないんだよね。でも私は年に何回か、ふらっと須磨まで足を運んでしまう。理由なんてない。強いて...