「ねぇねぇ、みんな見て!あの坂道がインスタ映えしそう!」
春の柔らかな日差しが降り注ぐ神戸の街で、大学3年生の私たち4人組は、待ちに待った女子旅を楽しんでいました。就職活動が始まる前の最後の思い出作りとして選んだのは、レトロな雰囲気と都会的なセンスが絶妙にマッチする神戸の街。特に今日は、憧れの北野坂と異人館エリアを巡る予定です。
「まずは北野坂を登っていこう!」と提案したのは、いつも計画上手な美咲。スマートフォンで撮影スポットをチェックしながら、私たちは元町駅から北野坂へと向かいました。こぎれいなお店が立ち並ぶ坂道は、想像以上に急でしたが、その分、街並みの景色が徐々に広がっていく様子が楽しめました。
「あ!あそこのパン屋さん、SNSで話題になってたやつだよ!」と莉子が指さす先には、レトロな外観のベーカリーが。北野坂は、古くからある老舗店と新しいカフェやショップが見事に調和している場所でした。思わず立ち寄ったパン屋さんで、できたての塩パンとクロワッサンを購入。まだ温かいパンの香りに、4人とも笑顔がこぼれます。
坂を上っていくと、街並みが少しずつ変化していきました。洋館風の建物が増え始め、異人館街の入り口に差し掛かったことを実感します。「ここで写真撮ろう!」と提案した杏奈の言葉に、全員が賛同。レンガ造りの壁を背景に、思い思いのポーズで写真撮影タイム。スマートフォンのシャッター音が何度も鳴り響きます。
異人館街に入ると、まるで時間旅行をしたかのような気分に。明治時代に建てられた西洋建築の数々は、どれも絵になるフォトスポットでした。「風見鶏の館が一番人気みたいだよ」と美咲が案内してくれます。赤レンガの外壁に特徴的な風見鶏が印象的な建物は、まさに異人館のシンボル的存在。
館内に入ると、当時の生活を垣間見ることができる調度品や家具が展示されていました。「こんな素敵な場所で暮らせたなんて、憧れるよね」と莉子。ステンドグラスから差し込む光が床に美しい模様を描き出し、思わずため息が漏れます。
お昼時になり、異人館街のカフェレストランでランチタイム。テラス席から見える神戸の街並みを眺めながら、みんなでシェアしたパスタやサンドイッチに舌鼓を打ちます。「神戸って、おしゃれな街だよね」と杏奈の言葉に、全員が頷きました。
食後は、北野異人館街の中でも特に人気の「萌黄の館」へ。和洋折衷の建築様式が特徴的なこの建物は、外国人居留地時代の面影を色濃く残していました。「和室に洋家具が置いてあるの、なんかすごく不思議な感じ」と私。当時の異文化交流を垣間見るような空間に、みんな興味津々です。
午後は、異人館街の小道を散策しながら、おしゃれな雑貨店やアクセサリーショップを巡りました。レトロな雰囲気の中に、現代的なセンスが融合した店内には、思わず手に取りたくなるアイテムがたくさん。「これ、お揃いで買わない?」と莉子が見つけた手作りのブレスレットは、この旅の思い出にぴったり。
夕暮れ時になると、街灯が一つずつ灯り始め、異人館街はまた違った表情を見せてくれました。「ライトアップされた異人館、めっちゃ素敵!」と美咲。昼間とは異なる幻想的な雰囲気に、みんなで見とれてしまいます。
「もう少し写真撮って帰ろう」という提案で、夜景をバックに最後の撮影タイム。スマートフォンのフラッシュと街灯の明かりが、私たちの笑顔を優しく照らします。「次は、神戸の他のスポットも巡りたいね」と杏奈。この言葉に、みんなが「うん!」と元気よく応えました。
帰り道、北野坂を下りながら、今日一日の思い出を振り返ります。レトロでおしゃれな街並み、異国情緒あふれる建築物、そして何より大切な友達との楽しい時間。「神戸って、本当に素敵な街だね」という私の言葉に、みんなが笑顔で頷きました。
スマートフォンの中には、今日撮影した数々の写真が収められています。異人館をバックに撮った集合写真、おいしそうなランチの写真、夕暮れ時の街並みの写真…。どの写真からも、私たちの楽しかった思い出が溢れています。
「次はいつ来よう?」と莉子が尋ねると、「今度は季節を変えて来たいね」と美咲が応えます。確かに、季節によって異なる表情を見せる神戸の街並みは、何度訪れても新しい発見があるはず。これからの就職活動や将来への不安も少しありますが、こうして大切な友達と過ごす時間があれば、きっと乗り越えていけると思えました。
元町駅に向かう途中、後ろを振り返ると、異人館街の灯りが夜空に優しく輝いていました。「また来ようね、神戸」と心の中でつぶやきながら、私たちは帰路につきました。この素敵な一日の思い出は、きっとこれからも私たちの心に残り続けることでしょう。
コメント