神戸の須磨海岸で過ごす夏と、人のいない砂浜を歩く理由

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須磨海岸に初めて行ったのは、たしか7月の終わりだった。

友達に誘われて電車に揺られて行ったんだけど、正直それまで「神戸で海水浴」っていうイメージがあんまりなくて。大阪湾だし、どうせ混んでるんだろうなって思ってた。駅を降りて歩き出すと、もうその時点で潮の香りがふわっと鼻に入ってきて、ああ本当に海が近いんだなって実感する。夏の昼間の熱気と海の香りが混ざり合うあの感じ、嫌いじゃない。

砂浜に出た瞬間、予想以上に広かった。人は多いんだけど、それでも息苦しいほどじゃなくて、ビーチパラソルの色がカラフルで、子どもたちの声が風に乗って聞こえてくる。波打ち際まで歩いていくと、足の裏が熱い砂から冷たい水に変わって、そのコントラストがなんだか妙に気持ちいい。海水浴って、泳ぐこと自体よりもこういう瞬間のほうが好きかもしれない。

泳いだあとに近くのコンビニで買ったアイスを食べながら、ぼんやり海を眺めてた時間が一番記憶に残ってる。友達は何か喋ってたけど、正直半分くらいしか聞いてなかった。波の音と、遠くで誰かが笑ってる声と、カモメの鳴き声が重なって、妙に心地よくて。

そういえば、去年の冬に一度だけ須磨海岸を訪れたことがある。

その時は完全にオフシーズンで、砂浜にはほとんど人がいなかった。冬の海って独特の静けさがあって、波の音がやけにはっきり聞こえる。砂も冷たくて、風が強くて、夏とは全然違う顔を見せてくれる。散歩してる人が数人いるくらいで、犬を連れた老夫婦とすれ違った時に軽く会釈したのを覚えてる。

夏の賑やかさも好きだけど、冬の静かな須磨海岸もいい。誰もいない砂浜をひたすら歩いて、波が引いたあとの濡れた砂に足跡をつけていく。寒いから長居はできないんだけど、それでも30分くらいは歩いてた気がする。途中でベンチに座って、持ってきた缶コーヒーを飲みながら海を見てた。温かい飲み物を持ってくるべきだったって後悔したけど、まあそれもまた思い出。

ちなみに、須磨海岸の近くに「マリンテラス」っていうカフェがあって、そこのテラス席から見える景色がすごくいい。夕暮れ時に行くと、オレンジ色に染まった空と海が一体になって、写真を撮らずにはいられなくなる。実際、スマホのカメラロールを見返すと、そこで撮った写真が大量に残ってる。

海水浴シーズンが終わると、須磨海岸は途端に人が減る。9月の半ばくらいに行った時は、まだ暑さが残ってるのに海の家はもう閉まってて、なんだか寂しい気持ちになった。砂浜を歩いてると、夏の名残みたいなものがあちこちに見える。忘れられたビーチサンダルとか、砂に埋もれたプラスチックの破片とか。

秋の須磨海岸は、夏と冬の中間みたいな雰囲気がある。まだ泳げないこともないけど、さすがに寒くて誰も海に入ってない。散歩するにはちょうどいい季節で、ジョギングしてる人とか、釣りをしてる人とか、それぞれの楽しみ方をしてる。

夕方になると、空の色がゆっくり変わっていって、海面がキラキラ光る。その光景を見てると、時間の流れがすごく穏やかに感じられて、日常のあれこれがどうでもよくなってくる。

神戸に住んでる友達が言ってたんだけど、須磨海岸は地元の人にとっては「いつでも行ける場所」だから、逆にあんまり行かないらしい。わかる気がする。いつでも行けると思うと、結局行かなくなるんだよね。

でも、だからこそたまに訪れると新鮮な気持ちになれる。季節ごとに違う顔を見せてくれる場所って、意外と少ない。須磨海岸は、夏は夏で楽しいし、それ以外の季節は静かに散歩できる。どっちもいい。

最近はあんまり海に行けてないけど、また行きたいなって思ってる。次は春先に行ってみようかな。まだ寒いけど、人も少なくて、ちょうどいいかもしれない…って、結局いつ行くのがベストなのかわからないままだけど。

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