
須磨海岸って、夏しか行かないと思ってた。
正直なところ私も去年の秋まではそうだったんだけど、たまたま仕事の打ち合わせが須磨であって、帰り道にふらっと寄ったらなんか印象が変わっちゃって。海水浴シーズンが終わった砂浜って、こんなに静かなんだなって。波の音がちゃんと聞こえるし、歩いてる人もまばらで、なんていうか、海が本来の顔を見せてくれてる感じがした。
神戸で海といえば須磨海岸なわけだけど、夏はもう人人人でしょ。パラソルとか浮き輪とか、BBQの匂いとか。あれはあれで楽しいんだけど、正直疲れるんだよね。砂浜に場所取るのも大変だし、駐車場探すだけで30分とかかかるし。友達と行くならまだしも、ひとりでふらっと行きたいときには向いてない。
でも9月の終わりとか、3月の終わりとかに行くと、全然違う。
砂浜を歩いてると、足元の砂がキュッキュッて鳴るのが妙に心地よくて、波打ち際で立ち止まって海を眺めてると、潮の香りがふわっと鼻に入ってくる。あの独特の磯っぽい匂い。東京湾とかとは全然違う、ちゃんとした「海の香り」って感じ。風が強い日だと髪の毛がバサバサになって、あとでシャワー浴びないと塩でゴワゴワになるんだけど、それすらも悪くない。
そういえば前に、冬の須磨に行ったときのこと。1月の午後3時くらいだったかな。寒すぎて鼻水出そうになりながら砂浜歩いてたら、犬の散歩してるおじさんに「寒いのに物好きやねえ」って笑われた。いや、ほんとそうなんだけどさ…。
散歩道としての須磨海岸は、実はかなり優秀だと思う。須磨海浜公園から舞子方面に向かって歩けば、途中で須磨浦公園も通るし、ロープウェイの駅も見える。距離にして3キロくらい?ちょうどいい長さなんだよね、飽きない程度の。途中でベンチもあるし、自販機もあるし、コンビニもある。ランニングしてる人もいれば、カメラ持って写真撮ってる人もいる。みんな思い思いに過ごしてて、でも誰も邪魔しない距離感。
朝の須磨海岸もいい。7時くらいに行くと、釣りしてるおじさんたちがちらほらいて、サーファーが数人波待ちしてて、犬連れて散歩してる人がいて。朝日が海面をキラキラさせてて、空気がひんやりしてて気持ちいい。夏だと朝からもう暑いけど、春とか秋なら最高。近くに「ブルーマーメイド」っていうカフェがあって、そこでコーヒー買って砂浜で飲むのが私の定番コース。
夕方もいいんだよな。夕焼けの時間帯に行くと、空がオレンジとピンクのグラデーションになって、海もその色を映して、なんかもう言葉にならない感じ。写真撮ってもいまいち伝わらないんだけど、実際に見るとすごく綺麗。カップルとかがよくいるけど、別にひとりで見てても全然おかしくない雰囲気。むしろひとりのほうが集中できる気がする。
冬の須磨は、正直寒い。でもそれがいいっていうか、人が少ないから余計に静かで、波の音だけが響いてて、瞑想してるみたいな気分になる。厚手のコート着て、マフラーぐるぐる巻いて、ポケットに手突っ込んで歩く。寒いけど、頭がすっきりする感じ。考え事してるときとか、なんか煮詰まってるときに行くと、不思議と整理される。
砂浜って、歩くだけで運動になるんだよね。普通の道より足に負荷がかかるから、30分も歩けば結構疲れる。でも嫌な疲れじゃなくて、心地いい疲れ。帰り道に須磨駅前のスーパーで惣菜買って帰って、家でビール飲みながら食べるのが最高なんだけど、これは余談。
結局のところ、須磨海岸は夏だけのものじゃない。春も秋も冬も、それぞれの良さがある。海水浴しなくても、ただ歩くだけで十分楽しめる。神戸に住んでて海が近いって、改めて贅沢なことだなって思う。
まあ、次いつ行くかはわかんないけど。

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