
三ノ宮の駅を降りたのが確か午後2時ごろ。
友達4人で神戸に来たのはいいものの、誰も下調べしてなくて、とりあえず「北野坂って有名らしいよ」という曖昧な情報だけを頼りに歩き始めた。スマホの地図アプリを見ながら、坂道に差し掛かったあたりで「これが北野坂?」「いや違くない?」みたいな会話が始まって、結局どれが本物の北野坂なのか誰もわからないまま登ってた。
坂の途中にあるカフェの前を通ったとき、コーヒーの香りが漂ってきて、一瞬立ち止まりそうになったんだけど、一番元気なやつが「異人館見てからにしようよ!」って言うから、そのまま登り続けることに。でも正直、この時点でもう足が痛くて、観光とかどうでもよくなりかけてた。坂道ってこんなにきついんだっけ? 普段運動不足だから余計にしんどい。
異人館エリアに着いたのはいいけど、チケットがいくつかセットになってて、どれを買えばいいのか全然わからなくて。風見鶏の館とか萌黄の館とか名前は聞いたことあるけど、実際どう違うのかって言われても説明できないし、結局「一番安いやつでいいんじゃない?」ってことになった。入り口で係の人に「おすすめはどれですか?」って聞いたら、丁寧に説明してくれたんだけど、途中から頭に入ってこなくて、適当に頷いてた自分がいた。
中に入ると、確かに雰囲気はある。古い家具とか、当時の写真とか、窓から見える景色とか。でも正直に言うと、最初の1軒目はちゃんと見てたけど、2軒目あたりから「これさっきも見たような…」ってなってきて、3軒目にはもう惰性で歩いてるだけだった。友達の一人が「これインスタ映えする!」って言って写真撮りまくってたけど、私は階段の途中で座り込んで休憩してた。
そういえば去年、京都に行ったときも同じような感じだったな。清水寺とか金閣寺とか、有名なところばっかり回って、結局何が印象に残ったかって聞かれても答えられない。観光地って、行くこと自体が目的になっちゃって、実際に何を見たかとか、何を感じたかとかって後回しになるんだよね…だけど。
北野坂を下りながら、さっき通り過ぎたカフェに寄ることにした。もう夕方の4時半ぐらいで、日差しが少し傾いてて、坂道が妙にオレンジ色に染まってた。店の中に入ると、観光客よりも地元の人っぽい客が多くて、なんだか落ち着く。メニューを見ても何が何だかわからないから、店員さんに「人気のやつください」って丸投げした。出てきたのは、名前も覚えてないけど、やたらクリームが乗ったケーキ。
食べながら友達が「結局、異人館って何軒見たっけ?」って聞いてきて、誰も正確に答えられなくて笑った。3軒だったか4軒だったか、もう記憶が曖昧。でもまあ、そんなもんだよね。完璧に計画立てて、全部ちゃんと見て回るなんて、そもそも無理な話で。
窓の外を見ると、私たちと同じように坂道を登ったり降りたりしてる観光客がいて、みんな疲れた顔してるのが面白かった。ある家族連れは、子どもが「もう歩きたくない!」って駄々こねてて、お母さんが困った顔してた。わかるよ、その気持ち。
帰り道、三ノ宮の駅に向かいながら、「次はどこ行く?」って話になって、誰かが「南京町行ってみる?」って言い出した。中華街ね。でももう足が限界だったから、「また今度にしよ」ってことになって、結局そのまま帰った。電車の中で、今日撮った写真を見返してたけど、ほとんどがブレてるか、誰かの後頭部が写り込んでるかで、使える写真が3枚ぐらいしかなかった。
神戸観光、ちゃんとできたのかどうかは謎だけど、まあ楽しかったからいいか。次に来るときは、もうちょっと調べてから来よう…って毎回思うんだけどね。

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