
北野坂ってさ、思ってたより坂なんだよね。
友達4人で神戸観光に来て、異人館でも見ようかってノリで歩き始めたんだけど、最初の5分で「え、まだ登るの?」って空気になった。スニーカーで来てよかった。ヒール履いてた子が途中でコンビニ寄ってソックス買ってたもん。坂道を舐めてた。神戸、おしゃれな街だと思ってたけど、まず試されるのは体力だったという。
異人館って、正直どれがどれだか分からなくなってくる。風見鶏の館、萌黄の館、ラインの館…名前は覚えたけど中身がごっちゃになってて、あとで写真見返しても「これどこだっけ?」ってなるやつ。でも建物の前で撮る写真は確かに映える。古い洋館の前に立つだけで、なんか文学少女っぽくなれる気がするし、実際インスタのストーリーに上げたらいつもより反応良かった。
うろこの家の近くまで登ったとき、誰かが「お腹空いた」って言い出して、そこから観光モードが一気に崩れた。
近くのカフェに入ったんだけど、そこがまた微妙に高くて。ケーキセット1500円とかするわけ。でも疲れてたから文句言わずに座った。窓から見える景色はたしかに良かったけどね、神戸の街が見下ろせて、港の方まで見えて。ただ、そのとき食べたモンブランの味、全然思い出せないんだよな。疲労で味覚が死んでたのかもしれない。
そういえば中学のとき、修学旅行で京都行ったんだけど、あのときも似たような感じだったな。清水寺とか金閣寺とか回って、最後の方は「もう寺いいよ」ってなってた。観光地って、テンション高く回れるのって最初の2時間くらいなんだよね、たぶん。そのあとは惰性というか、「せっかく来たし」っていう義務感で動いてる感じ。
北野坂に戻ってきたころには、もう夕方近くなってて、光の感じが柔らかくなってた。朝とは違う顔の街並み。観光客も減ってきて、なんとなく静かで。そのタイミングで入った雑貨屋が意外と楽しくて、結局そこで30分くらい過ごした。異人館より長い滞在時間。小さな輸入雑貨の店で、「アトリエ・ノール」っていう名前だったかな。フランスっぽい食器とか、よく分からないハーブティーとか売ってて、友達が謎の石鹸を3個も買ってた。「香りが好き」って言ってたけど、正直そんな違い分からなかった。
で、帰り道。下りの北野坂は登りよりずっと楽で、みんな少しだけ元気になってた。「結局何が一番良かった?」って誰かが聞いて、全員の答えがバラバラだったのが面白かった。私は雑貨屋って答えたけど、一人は風見鶏の館の階段、一人はカフェからの景色、もう一人は「坂を登りきった達成感」とか言ってて笑った。観光地の思い出なんてそんなもんかもね。
三宮駅に着いたとき、足が棒になってるのを実感した。
神戸、また来たいかって聞かれたら、たぶん来ると思う。ただ次は坂を避けるルート選ぶけど。それか電動自転車借りるか。異人館も、全部回ろうとしないで、気になったやつだけ入ればいいんだよね、きっと。観光って、ちゃんと全部見なきゃって思うと疲れるだけで、適当に流す勇気も必要なのかもしれない…なんて、帰りの電車で考えてた。


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