
北野坂を登り始めて5分で、もう息が切れてた。
友達3人と神戸に来たのは11月の土曜日で、朝10時くらいだったかな。駅降りてすぐ「異人館行こうぜ」って誰かが言い出して、なんとなくみんなでついていったんだけど、これが思った以上に坂。Google Mapで見たときは「ちょっと歩くだけでしょ」って感じだったのに、実際に登ってみるとこれがもう、太ももにくる。運動不足を痛感する。
坂の途中にあるカフェとか雑貨屋の看板を眺めながら、「あとでここ寄ろう」とか言いつつ誰も覚えてない。そういうものだよね、観光って。
異人館エリアに着いたら、急に空気が変わった気がした。
石畳の道に、レンガ造りの建物。なんていうか、神戸の街中とは全然違う雰囲気で、本当にヨーロッパの住宅街に迷い込んだみたいな感じ。風見鶏の館ってやつが一番有名らしくて、まずそこに向かったんだけど、入場料見てちょっと躊躇した。でも来たからには入らないと意味ないよねってことで、チケット買って中へ。
館内は思ったより広くて、当時の家具とか調度品がそのまま残ってる。暖炉の前に置かれた椅子とか、食卓に並んだ食器とか、全部が「ここで本当に人が暮らしてたんだな」って実感させてくれる。友達の一人が「この時代に生まれたかった」とか言い出して、みんなで「絶対無理だろ、スマホないし」って笑ってた。窓から見える神戸の街並みがめちゃくちゃ綺麗で、ここに住んでた人たちは毎日この景色を見てたのかと思うと、ちょっと羨ましくなる。
そういえば中学生のとき、社会科の授業で神戸の開港について習ったんだよね。外国人居留地がどうとか、貿易がどうとか。正直そのときは全然興味なくて、テストのために暗記しただけだったけど、こうやって実際に異人館を見ると「ああ、こういうことだったのか」って腑に落ちる感じがある。教科書の写真で見るのと、自分の足で来て目で見るのとでは、やっぱり全然違う。
萌黄の館にも入った。
こっちは風見鶏の館よりちょっとこじんまりしてるけど、窓から差し込む光が綺麗で、なんだか落ち着く空間だった。2階のベランダから見える景色もいい。友達が「ここでお茶したい」って言ってたけど、残念ながらカフェじゃないからね。建物の色が独特で、確かに萌黄色っていうのかな、淡い黄緑色の外壁が印象的。写真撮りまくってたら、スマホのバッテリーが心配になってきた。
お腹が空いたから、近くのカフェに入ることにした。「ラ・メゾン・ドゥ・グラシアニ」っていう、いかにも異人館エリアっぽい名前の店。メニュー見たら結構高めだったけど、雰囲気に負けて注文しちゃう。パスタとケーキのセットを頼んだら、思った以上にボリュームがあって満足。窓際の席だったから、通りを歩く観光客を眺めながらのんびり食べた。
食後、まだ時間あるしってことで、もう少し奥まで歩いてみることに。
北野坂から少し外れた路地に入ると、観光客も減って静かになる。住宅街なのか、普通に洗濯物が干してあったりして、「ああ、ここで暮らしてる人もいるんだな」って当たり前のことに気づく。異人館って観光地だけど、同時に今も人が住んでるエリアでもあるんだよね。そのギャップがなんか面白い。
坂道をさらに登っていくと、小さな展望スポットがあった。ベンチがひとつだけ置いてあって、そこから神戸の街が一望できる。港も見える。ビルも見える。遠くに海も見える。友達の一人が「これ、夜景だったら最高じゃない?」って言って、確かにそうだなと思った。でも夜にまたここまで登る気力はない。
帰り道、下り坂だから楽かと思ったら、意外と膝にくる。
登りとは違う筋肉を使うのか、なんか変な感じ。途中で「さっき寄ろうって言ってた店どこだっけ」って話になったけど、結局誰も覚えてなくて、そのまま駅まで下りちゃった。まあ、そんなもんだよね。
神戸の異人館、正直行く前は「ちょっとした観光地でしょ」くらいに思ってたけど、実際に行ってみると想像以上に楽しかった。建物自体もいいし、街の雰囲気もいいし、何より友達とワイワイ言いながら歩くのが楽しい。ただ、坂はキツい。これだけは間違いない。次来るときはもうちょっと運動してから来ようと思う…たぶん。

コメント